「第23回三河湾チャリティー100km歩け歩け大会」にいく【前】

朝6時40分。

静かな熱気があたりを包む。










係のおねーさん
「ますたーわい？

すみません、ニックネームはいいです。

本名を教えていただけますか？
はい、どうぞ。
そこをどいてください。
次の方、
じぇ、じぇいろー？
すみません日本の方ですよね？
本名でお願いします。
（もうっ！まともなヒトはいないの！？）」


















係のおかーさん
「コレをもってきな！
これが【イエローアーマー】だよ！
アンタを無敵にしてくれるのさ！」











「むてきだむてきだ～」

「これでオレは変われる！」

「子供が志望校に受かるわ！」











いつもとは違い
若いヒトがいっぱいだ。
みんなタイツはいてんな。
CWXとかゆーやつか？
足元もジョギングシューズでっせ。









係のおにーさん

「はぁい、オジサン、動いちゃダメでちゅよ～

すぐすみまちゅからね～。ぱちりこ！」

ゼッケンにプリントされたQRコードで
カウントするんだとさ。

えっ、次のチェックは93キロ先？
じゃあ、途中はスキにしていいってコト？
ラッキー！
マスター、SUZUさんに電話してくれよ！
途中クルマで移動しようぜ！
別にムリして歩かなくてもいいじゃん！
うけけけけけ。

・・・30分後







大会のえらいヒト
「残念なお話です。今回参加いただいた皆さんのなかに、
歩行チェックが途中にはないのをいいことに、

ズルをしようと話している人がいたというのです。

私は大変なショックを受けています。
ですが、もしその方が今正直に申し出てくだされば
何も聞かなかったことにしましょう。
さぁ、過ちを認め皆さんの前で謝罪をするのです。
よろしいですか、

心当たりのある方は手をあげてください！」

ざざっ!
（全員が手をあげる。）

えらいヒト
「うきゃー！わけわからん！
スタッフまで手をあげてるやんけ！
もう出発しゅっぱつ！
いってもうたれやーっ！」












ワイワイガヤガヤ。












「第23回三河湾チャリティー100km歩け歩け大会」

平成30年10月13日（土）14日（日）

愛知県碧南市臨海公園をスタートして
豊橋市で折り返し、西尾市みかわ温泉海遊亭に

ゴールを設定する。
スタート時間 8時～9時
ゴール時間 翌日午前4時～午後3時まで。

参加人数1,700名（上限打ち切り）

参加費15,000円

いちまんごしぇんえん！！










3月に岐阜で行われた「早春淡墨桜浪漫ウオーク」で
60キロをクリアしたオレたちは晴れて
100キロウォークにエントリーした。

100キロを歩く。
なかなか言葉だけでは実感がわかない。

「きゃー！ますたー！がんばってくださぁい！」

「おうえんしてまーす！」


マスターワイ

「あー、どーもどーも！」










もともとこのイベントは

地元の調味料メーカーが
社員研修で始めたのだという。

研修で100キロ歩かせる。
うはははは。











100キロ先かぁ、
どこまでいくんかいな～










昨年の大会の模様はテレビで放送してたよな。
雨のなかタイヘンそうだった。
今回も深夜から小雨になる予報になってんだよ。

それで足元はメレルのゴアテックスにしといた。

うすずみの時に使ったジョギングシューズはやめた。

履きなれたアシックスでも水ぶくれができたからな。
今度はトレッキングシューズで試してみるわ。

うすずみの時は40キロ過ぎたくらいから

右足のウラに大きい水ぶくれが出来てさ、
痛みに耐えながら歩いてホントつらかったんだよ。

湿気があるとダメみたいだからさ、
今回は厚手の靴下を2枚用意して

休憩ごとにはき替えてさ、
脱いだヤツはこの「アリゲータークリップ」で
干しながら歩いちゃおってワケ。

マスター
「おーっ思考がシンクロしたよーっ！
ボクも用意したんだよ。」

洗濯バサミ！？
ださっ！













挨拶がおくれちまったな。
オレたちゃ「イエローアーマーズ」
ルール無用の荒くれものさ。

オレたちの遊び場マップだぜ。

この町はオレたちアーマーズが

蹂躙（じゅうりん）するのだ。









まずは挨拶替わりの無限横断といこうか！
オレたちの途切れることのない歩道横断に
右左折のクルマが詰まって大渋滞だ！
なかには約束の時間に間に合わなくなる

ドライバーもいるかもしれねえ。
コイツはケッサクだ。









おーやってるな！
コンビニテロだぜ！
クルマ止めの後ろに陣取れば
お客もおちおち止められないってもんだ。








このトイレ立てこもりもキクな！
オレまで入れねえじゃねーか！









こっちではお母さんたちの路上パーティだぜ！
ごきげんだな、シスター！

かーさん1号
「なんてゆーの？地球が舞台って感じ。

大地に根をはる、自分が自分らしくってことかな。」

かーさん2号

「うきゃ、うきゃきゃきゃきゃ！」

サイコーだぜ！きょーだい！
なにせ100キロも歩くんだもんな。
何やったってゆるされるワケだよな。









ブラザー、
「さろもん」って読むのか？
それを背負ってるヤツがメチャ多いよな。










マスター
「あれれ、もうヒリヒリしだしたよ。」

マスターは5本指ソックスの上に

厚手の靴下をはく2枚ばき仕様だぜ。
イロイロ考えてるな。







へへ、実はオレも昨日急いで買ってきたんだよな。
SKINS「コンプレッションタイツ」

ふくらはぎをムギュッとしめてくれるのがいいらしいよ。
ちょっと恥ずかしいけど今から履いてみよう。








靴ずれすりむけの防止に
イロイロ買って試そうと思ってさ。
「Protect S1 スポーツ摩擦皮膚保護クリーム」に

「ソルボバン フリーシート 」だ。
ソルボバンはマスターも買ってたぜ。
（しんくろー！）

親指のウラがちょっと水ぶくれみたいに

なってきたのでシートを貼っておこう。









マスター
「この100キロはレースじゃないからね。

のんびり快適に歩くことが重要だよ。

こんなアホなコトは二度とやらないと思うしね。
そこで後半に苦しい思いをしないために、
前半50キロは時速4キロくらいで
ゆっくりいきますよ。

みんなに追い抜かれても大丈夫。

明日の12時には着くスケジュールですからね。」


ノンビリウォーク、いいねぇ。
夜はさ、居酒屋に行く？
途中で銭湯入るのもよくないかい？

うひひひひ。











26,8キロ地点。ここが最初のポイントだ。
7時30分に出発してからちょうど7時間後の

14時30分に到着したよ。

夜間歩行に備えて反射タスキと

点滅アームバンドをもらう。

ゴールで回収だってさ。

これがあるなら夜間のライトいらないじゃん。

ポイントだけでチェックはないワケよ。
ただ設定された閉設時間までに通過してくれってさ。

たけえカネを払ってるからうまいエイドがあるかと

思ったのになんもくれないんだよな。

コンビニに軒先借りてるからさ、

おカネ使えってことだな。

買いますがな買いますがな。
なんか甘いものが欲しくなるよな。

久々にコーラ買ったよ。










うちから持ってきたお菓子セット。
チロルチョコレートがさ
コンビニコーヒーにあいまんな～。

マスター
「今しゃべってるヒトから聞いたんだけどね、
ゴールした後にもらえる幕の内弁当がおいしいらしいよ。
三河特産弁当かな～
うーん楽しみだな～」

100キロ歩いた後の弁当か～

15,000円の高級仕出しだぜ！

オレ
「なんといっても一色（いっしき）のうなぎだな！」

マスター
「三河湾のとれたて新鮮な刺身！」

「白だしを使った一品は何になるんだ～？」

「メインは味噌カツじゃない？」

「疲れたカラダに赤みそか～

くぅ～、もうハラへってきぜぇ！」

なんかオレがんばる！
がんばっちゃう！
　　　　　　　　



　　　　　　つづく。

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