摩耶山(まやさん)をゆく [関西のやま]
雨にしてやられた8月・・・
このままで終われない。
終わるオレではない!!
1年ぶりに大阪を訪れたオレは
脇目も振らず新神戸駅を目指す。
雨よ、
今日だけは降らないでくれまいか。
到着した駅で待っていたのは
オレのしもべたち、
左からガンダムリュック、クロックス野郎、一番隊長。
また会えたな、久方ぶりだぜ。
大阪おやまクラブは再始動する。
復活の舞台は兵庫県神戸市
「トエンティクロス経由で摩耶山」をゆく。
20渉(わたり)の名の通り
幾つもの沢を渡り飛び石を越えて
スピリチュアルスポット摩耶山を目指すのだ。
案内のまま新神戸駅を北へ。
雨も降りそうな日に呼び出して悪かった。
ああ、何も不満はないよ。
ただ、ただな・・・・
全身をホグロフスで包み込んだ山装備のオレ。
その対極に位置する若者たち。
不届きなチャラいパンツ、
足元はなんとデッキシューズ。
傘を持って山に登るなんて・・・
そしてガンダムリュック。
前回比叡山に登る際に新調したという
「万能シューズ」
会社も遊びもコレ一足で事足りるという。
(おまえたちは間違いなく狂っている。)
おーっといきなりイノシシの死体がぁ!
オレ
「お前たちはイノシシの死骸を見るのは初めてだな?
驚くかもしれないが、イノシシが死ぬときは
足をピーンと天に向けて倒れるのだぞ、
うーん死んじゃった!って、まるでマンガの様にな」
アホ3人「えーっスゴイ!知らんかったですわ!」
賢明なる皆さんならわかるであろう。
イノシシはこうやって死んだのではなく、
道の真ん中で倒れていたのを誰かが
ただ単に足を持って端に置いただけの話である。
クロックス「友達にすぐメールしますわ!」
ああ、それがいい。(グフフ)
歩くことすぐ。
雄大な布引滝(ぬのびきたき)
ガンダムリュック・・・
謎の男。
この暑い盛りに長袖のシャツ。
しかもインナーも長袖の重ね着!
オレ「おまえ、タトゥでも隠してるのか」
ガンダムリュック
「ええ、そうなんですよ~。見ますかぁ?ぐふふ」
(ああ無性に腹が立つ)
大きな貯水池があった。
久しぶりの再会だというのに全くしゃべろうとしない男。
なんでもいい、
なんでもいいからとにかく頭に浮かんだコトを話せ!
ガンダムリュック
「はあっ、はあっ・・・・」
10分後。
「近所のホームセンターで
すごい大きなクワガタムシを売ってたんですよ」
オレ
「・・・・・(どうでもいい)」
さらに10分後。
「女の人が急にメガネを出して
顔にかけたりするとドキっとしますね」
オレ
「・・・(ホントにどうでもいいハナシしかせんな、コイツ)」
ガンダムリュック
「すみません・・・・
どうしても山に登ると気持ちがふさぐっていうか、
後ろ向きな気持ちになってしまうんです。
自然にはそういうチカラがあるんですよね?」
オレ
「・・・・・・(えっ?)」
お、おまえ・・・
まさか、それって?
もしかして「マイナスイオン」のことじゃないのか!?
ぎゃーははっは!
気分がマイナスになるのか!
オモシロイ男だ!
おっ道が開けた、着いたようだ。
残念ながら最近の台風の影響で
トエンティクロスのせせらぎの道を
のんびり行くことはかなわなかった。
手前を曲がり地蔵谷から山頂へ向かったのだが
こちらはなかなか傾斜がきつい。
おいっ、通り過ぎてるぞ!
摩耶山三角点。(702M)
8時15分に出発した一行は11時過ぎに到着した。
掬星台(きくせいだい)と呼ばれる広場へと出る。
そこは子供の楽園であった。
しばし子供たちと「ヤッホー」を競い合う。
おーっ
お久しぶりです神戸さん。
ああ、
オジサンたちはがんばって歩いてきたんだよ。
キミたちは?
へー、ロープウェイね、そんなのがあるんだ。
すぐさまロープウェイに乗るオレたち。
まやロープウェイからそのまま
まやケーブルを乗り継いで
10分で下山する。
代金は計880円ナリ。
1番隊長が持っていたJAFカードで
全員が2割引きとなった。(700円)
そのまま阪神王子公園駅から10分ほどの
「灘温泉水道筋店」に行く。420円
パンツまでチャラいことをお許しください。
(サ、サッポロ!?)
小雨が降り始めた頃、
オレたちはすでに梅田駅に戻っていた。
駅のアナウンスがオレに
夏の終わりを告げているようだ。
若者たちに別れを告げオレは大阪を後にした。