SUZUさんのばか [関西のやま]
北陸自動車道
米原(まいはら)インターチェンジを下りて
醒ヶ井駅前の交差点を右折する。
見えてきたのは醒ヶ井養鱒場
今日は釣りではありませんよ
ここでは止まらずに通り過ぎる。
9時についたのだけれど
駐車場をはみ出して
クルマがいっぱい。
滋賀県米原市
霊仙山(りょうぜんさん)
鈴鹿山脈最北の地
今回はSUZUさんのご要望で
霊仙山をゆくことになりました。
かつてマスターY氏と谷山谷登山道を行ったよ
左回りのコースですな
今現在はここも崩落で通行不能みたい。
今回は右側上がりの榑ヶ畑(くれがはた)コース
頂上まで2時間半の登山です。
ワタシと同年齢のワリには
もうお爺さん化が始まったSUZUさん
(思考がじいちゃんです)
急にやる気を出してくれたので
何も文句は言いませんよ
黙ってついていくだけです。
ってコレは登山道?林道じゃないの?
道を間違えてない?
ほら~っ
行き止まりでしょ?
SUZUさん「(スタスタスタ・・・)」
ええーっ!
乗り越えていくーっ!?
SUZUさん
「ダイジョウブです。方向的には間違えていないのです」
SUZUさーん
やめよ~っ!もどろーよ!
このカンジ
怖くなってきたよ
今ならまだ間に合うし
入口まで戻ろうよ~
地図を見ては立ち止まる
それを繰り返すSUZUさん。
迷ってる感ハンパない。
SUZUさん
(自分を励ますように)「よし!」
よしじゃないでしょ!
ヒトが通った跡がないじゃない!
SUZUさん「ぐげっ、げほげほ・・・」
登ってはズルズル落ちる。
この傾斜はムリでしょ!
登れるワケないじゃん!
もうナニやってるかわからんわ!
だが今日のSUZUさんはやる気が違う。
怖いくらいの気迫だ。
SUZUさん
「ぐ、ぐぐーっ」
ヤマと向かい合う。
自分と向かい合う。
これだ!
これがホントの登山なんだね!
SUZUさん
「やっぱり戻りましょう」
オレ「うわーっ!(ショックでそのまま滑り落ちる)」
なんじゃそりゃーっ!!
いまさら戻るなんていわないでよ!
2時間も登ってるんだよ!
ホントにブツブツブツ・・・
しかもドコ向かってるかわかんないよ。
SUZUさん
「困りました。ちょっと迷いましたね」
この川沿いに沿っておりればいいじゃんか
SUZUさん
「迷ったときに川沿いで下りるのはキケン行為です。
高い場所に戻った方がいいのですよ」
とかいって
川沿いに下ってるじゃんか!
SUZUさん「・・・・(聞こえないフリ)」
ああヤダヤダ!
下ること数十分・・・
心細い思いで下る先に道路が!
うおーっ!よかったわぁ!
SUZUさん
「や、やりましたね。どうやら帰れましたよ」
めちゃダサい下り方をするSUZUさん
ビビりすぎだよ!飛び降りなよ!
ああ危ないところだった。
(SUZUさん、まだあんなトコ・・・)
SUZUさん
「まだ安心できませんよ、
今ドコにいるのかカクニンしないといけません」
オレ「ここってクルマ止めた場所のすぐ手前だよ!
このガードレールは見覚えあるわ!間違いないよ
クルマはすぐそこだよ!」
SUZUさん
「これは違いますね。ヤマは似たような場所が多いから
錯覚で同じ場所に思えてしまうものなんです。
ワタシもよく経験したものです。」
オレ「そ、そうなの?・・・」
オレ「ほらっ!やっぱりクルマがあったよ!
間違いない!あってたんだ!」
SUZUさん
「・・・・・・・」
なぜか自分のクルマを無視して
その先の神社の坂道を上がりはじめる。
SUZUさん
「ここでご飯にしましょう」
オレ「えーっ!?ここでぇ!」
シュゴ、シュシュシュ、シュゴーっ!!
勢いよく出たり急に止まったりして
落ち着かない水場の前でおにぎりを食べるオレたち。
目の前には毒々しい真っ黄色の巨大なキノコが4個・・・
こ、こんなんじゃ落ち着いて食えん!
SUZUさん(平然とおにぎりを食べながら)
「一時はどうなるかと思いましたが、
無事に帰れてよかったですね
今日は貴重な経験をした1日でした。」
えっ?・・・
終わり?
霊仙山は?・・・・
もしかしてコレで終了!?
あ、あかん!
「ぜったいアカーン!」
(こだまになって山に響きわたる叫び)