西穂高岳をゆくわ [岐阜のやま]
連休を迎える金曜日。
夜中に名古屋を出たオレは
東海北陸道を経て飛騨高山にいた。
道の駅
奥飛騨温泉郷上宝
(おくひだおんせんごうかみたから)
AM5:00
クルマの中で朝を迎えたが
気温は10度ちょっと。
ここはもう肌寒い。
鍋平公園横
登山者用無料駐車場にクルマを移動し
ロープウェイ乗り場に向かう。
雨の連休になったにもかかわらず
今回のイベントを敢行した真の漢たち。
といいたいが
M-BOY!(えむぼーい)
なんじゃそりゃ
もしかして「酸素缶」じゃねーか!?
ぎゃーははは!
やめろ!やめろ!
歩いて10分
第2ロープウェイ乗り場へ
やられたぜ。
片道1500円に加え6kg以上の荷物で
200円プラスなのだという。
キャッキャいって写真撮影に夢中になるオトコたち。
観光案内のおねーさんは泣きながらしゃべっている。
確かにキレイだな。
9月恒例お泊りピクニック
北アルプス穂高連峰
西穂高岳をゆく。
新穂高ロープウェイ
しらかば平駅から西穂高口駅へ
カネさえ積めば一気に標高2000M
降りたらそこは登山口。
気楽なもんだぜ。
マスターY
「えーっと、スラスラスラ・・・
こんにちわ、僕たちヤマメン4人ぐみ、
一緒に登ってくれるヤマ女子ぼしゅうちゅう
連絡先は090・・・(※SUZUさんの携帯番号)」
マスター、ここは思い出ノートを書く場所ではないぞ。
M-BOY
「えーっと、コンビニで380円、さっきコーヒーを
買ったので120円を足して、えーっと、えーっと・・・」
こづかい帳か。
あれだな西穂高。
「ほだか」じゃなくて「ほたか」なのだと
今日初めて知った。
台風も近づいているらしい。
ホントに雨が降るのか?
はぁはぁ
聞いた話とは違って
結構な傾斜だぜ。
ぜぇぜぇ
1時間ほど歩いて
西穂山荘だな。
当初は上高地から出発して
ここで泊まる予定だったのだ。
だが雨予報に狂いはないようで
急遽予定を変更し
宿泊キャンセルさせてもらって
日帰登山とすることになった。
ここからが本番だ。
西穂高岳まで2,4キロ
3時間ほどの道のりらしい。
はぁはぁ
いい、そうゆうのはやらんでいい。
えっ?じゃんばるむ?
あ、ああもちろん知っておるわ。
料理上手なお医者さんのハナシだろ。
一本道が小気味いい。
ヒトも小さい。
どれが頂上なのだ?
この石ころがまた歩きにくい。
振り返れば
結構な道のりだ。
「しゅーっ!しゅーっ!」
やめろ!笑われるだろ!
「しゅーっ!しゅーっ!」
はぁはぁ
久々のホンカク登山だ。
もともとSUZUさんが
この山をチョイスしたのに
法事が入ったとかで本人は来なかったのだ。
法事・・・・ベンリな言葉だな!!
ガレキの山だ。
これをよじ登るのか。
はぁはぁ
ついたぜ頂上。
独標というのだそうだ。
それにしても
ものすごいヒトだな。
座る場所がないぜ。
こいつは落ち着かん。
さっさと帰ろうぜ!
なにっ?
ここが頂上ではない?
あの先まで行くのか!?
コレを下りるのか!
どうやって降りるのだ!?
ひえーっ!
あぶねーな!
ちょっとでも足を
滑らしたらヒューっじゃねーか!
滑り落ちたら戻ってこれんぞ。
こんな恐ろしいトコとは聞いてないぞ。
だましたなSUZU!
ぐぐぐ、
重いザック背負いながら
全身にチカラ入れて
死ねん、こんなとこでは死ねん!!
げげー!
なんじゃこりゃー!!
オマエよく平気だな!
M-BOY!
おい!聞いてるのか!
こっち見ろ!
こっち見ろってんだ!!
ブルブル・・・
めちゃめちゃこえー!
足場がないぞ!
こんなトコで突然立ちくらみとかしたら
どうなっちゃうのだ!?
ぜぇぜぇ
恐ろしい!
怖い!
ここへきてアホみたいに
3リットルも水をザックに入れたことを後悔したぜ。
何よりワイフやコドモたち扶養家族が
精神的に重くのしかかる。
イヤな予感しかしないな
これはマズイぞ!
どうしよう・・・
自己責任とはこうゆーことか・・・
オレはひそかに
「聖なるパワー」を開放した。
(足場が悪いのでコンパクトに、ささやき声で)
※両手をグーにしてくっつける
「なんじゃ~ぁ~ぁ~」
※かめはめ波のように手をぱっと開く
「もんじゃっ!」
すると突然M-BOYが崩れ落ちる!
「もうダメ!アタシ限界!おしまいよ!わ~っ!」
なぜかオネエ言葉になって泣き出したのだ。
うわぁ
なんだか急にガスってきたぞ!
前が全く見えん!
これは降り出すな!
M-BOY・・・
オレはまだまだ平気だが
オマエのキモチはよーくわかった。
ま、マスターっ!
ちょっと待ってくれ!
「アタシもゲンカイ!」
(オネエ言葉でキメタ)
頂上まではたどり着けなかったが
雨が降り出す前に引き返すのだ。
来た道を戻るのも地獄だぜ。
ポツポツきやがった。
本降りになる前に
下山することができたオレたち。
本当に恐ろしい体験だったぜ。