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備忘録2 [その他]




「すみません。何度来ていただいても
もう主人には何も聞こえてはいないんですよ。」

「いいや奥さん、
じぇいろーさんにはきっとわかるはずじゃ。」

「そうじゃ、きっとわしらの声は届くはずじゃ。」




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「お~い、じぇいさんや~、
今日はなつかしい写真をな~
いっぱいもってきたでの~
ほらぁ、おぼえとるか?
夏の暑いさかりじゃったな~」




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「犬山の【八曽山】じゃな~」




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「はっそさん、わかるじゃろ~」




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「これは【たてしな】じゃったな。
ものすげー雨じゃった。
行かなければよかったわい。」





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「これはなつかしいな。
せいしゅん18きっぷで
【江ノ島】にいったんじゃな。」






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「SUZUさんがの、なんかわけのわからんタイツ
をはいてきておっての~」

「そうじゃそうじゃ、兵隊みたいな恰好じゃったわ。
ほーるど感がバツグンとかゆーて、
結局はいてきたのはその日だけで、
もう2度と見ることはなかったわい。」






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「結局SUZUさんの戦争は
まだ終わってはなかったのじゃな。」


「あほいえ。これはへいせい30ねんごろじゃ。」

「すうじのハナシはせんでくれ。
アタマがいたくなるのじゃ。





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「ほれ~、じぇいさん、
【えのしま】はきれいじゃったな~」



「あのな~、じぇいさんよ~。
SUZUさんはな、今日も来れんゆーてな、
じぇいさんには
くれぐれもよろしくゆーといてくれじゃとよ。」

「ワイさんよ、わしゃいいかげん
本当の事をゆーた方がえーじゃないのかと思うんじゃが。」


「あほかテイさん、
SUZUさんはもうとっくに死んでるなんて
今さらゆーてどーすんじゃ。」










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「これはぁーどこかいな?」





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「うーん、これは【焼岳】じゃな。」

「そうじゃ、【やり】に行こうとして
雨のりすくがあってな、

急遽ちかばのやまにしたんじゃったわ。」





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「じぇいさんはやりだやりだって、うるさかったでのう。」

「けっきょく、わしらは【やりがたけ】に行ったのかいな?
行かんかったのかいな?・・・どっちじゃったっけ?」

「ふむ、どうじゃったかいな?・・・
行ったような気もするし、
行かなかったような気もするな・・・・」







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「これはどこじゃろな?」






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「あかんなぁ、まったく思い浮かばん・・・」






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「なんじゃ、このうまい棒は?
あぱ?・・・

このムスメはいったい誰じゃ?」

「あの頃だからおニャン子くらぶではないかの?」

「アホか!これはえーけーびーじゃ!
ふぉーてぃえいとじゃ!」


「すうじのハナシはやめろゆーとるじゃろが!」

「しーっ!、周りの方も寝てらっしゃるので
おふたりともどうぞお静かに。」

「ああ、奥さんすまんです。ついこーふんしてもうて・・・」






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「これは美濃の【誕生山】じゃな。
わしもこの頃はさすがに背筋がのびとるの~」

「なにをゆーとる!よくみい!これはわしじゃ。
わしのばっくしょっとじゃ。」

「またあほゆーて。これはわしじゃないか!
わしのことはわしが一番よーくわかっとるわい。」




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「なんだかムダな写真が多いのう・・・
どーゆーちょいすしとるのかの~」






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「ここでいったいナニをしとるのかいな?」







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「まったく記憶がないわ、トシはとりたくないのう。」







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「これはイセエビか?
いせの大江戸温泉物語じゃな。」


「いせえびってゆーのは
ずいぶんとひらぺったいんじゃのう・・・」







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「おおーっ、思いだしたわ!これは金沢じゃ!
名物のオムライスを食べにいったのに
ワシだけのせられて、こないなキャベツばっかりの
カツどんを食わされたんじゃ!

ワシも意外といけるなんてゆーとったが、
こんなやさいとごはんの組み合わせが
うまいわけないやないか!

まずい!まずかった!
あーっ!今になってハラ立ってきた!

あのときのカツどん代いまはらってくれや!」

「はー?なにゆーてんねん!
そそのかしたのはSUZUさんじゃ!
お代がほしけりゃSUZUさんの墓を
掘り起こしたらどうじゃ!げへへへ!」


「なな、なんじゃと!
掘り起こしたろやないか!
その土をあんたんとこの玄関前に
たっぷりと盛ってやろうじゃないか!

かいごへるぱーが家に入れんほどな!」

「なんじゃと!
へるぱーのかとうさんを侮辱するのか!

あやまれ!かとうさんにあやまれ!」

「あほ!へるぱーはきのしたさんじゃ!
いや、きのしたさんから代わって
今はだれかじゃ!だれかなのじゃ!



ぴぴぴぴぴぴぴ!


「たいへんだわ!脈拍が弱ってきました!
看護師さんを呼んできます!」


「おおーっ!さわいですまんかった!
じぇいさん!

がんばれ!がんばってくれー!」


「そうじゃ!まだいくのははやいぞ!
ガッツじゃ!ガッツをみせてくれー!」



ぴ------------------------
































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