2012年のおわりに

名古屋はいい町だ。






市営地下鉄
大阪から名古屋へ
近鉄で帰ると3時間かかる帰路。
いつもながらウキウキしちゃうものだ。
ワイフの手作り料理が待ってるぜ。








シュー
ゴトンゴトンゴトンゴトン

オレの向かいの優先席に
おばあさんが一人座っている。

そこへ若いにーちゃんが一人乗りこんできた。
3人がけ席のおばあさんの横にどかっと座って
横着そうに足を開いてひとりで
2人分の席を占有している。

オレが
「なんだお前は」
という視線を送ると
「え？おじさん文句あるの？
殺しちゃうよ」
という熱い返信がかえってきた。

思わず車内の広告に目を移す。
明治村か・・・最近行ってないなあ、なんて
（意気地なし）

態度が悪い上に
なにかのどの調子が悪いのか
やけにゴホゴホせきこんでいる。

そのまませきこんで苦しむがよいと
息をとめてじいーっと念を送っていたが
（く、苦しい・・・）
そのワカモノを正すために
隣のおばあさんが声をかけた。

すごいぞおばあさん、しつけが始まるぞ。

「あなた　のどつらそうね　このアメをなめなさい。」

（!?）
驚いたことに
おばあさんは手提げからアメを取り出して
見ず知らずの（しかもアホタレな）ワカモノに渡したのだ。

意表をつかれたワカモノは
何度も何度もスミマセンを繰り返し、
自分の不遜な態度が急に恥ずかしくなったのか
そのまま借りてきた猫みたいに
一人分のスペースに身を縮めて
申し訳なさそうにアメをなめていた。

フフフ
あはははは

おばあさんとワカモノ
写真にとりたかったな



（2012年12月）