赤目四十八滝をゆく [三重のやま]
三重県名張市赤目町
8月〇〇日AM9:00
この混沌とした建造物の中へ
「あんたたちも『アレ』だろ?
ひひひ、わかってるよ
このばあやがとっておきの情報をあげようじゃないか」
「大小さまざまな滝があってね
最後の巌窟滝(がんくつだき)まで
片道4キロ1時間半くらいかね。
この赤で囲まれた5つの滝が『ポイント』だよ
ここで出るのさ。
出るって『UFO』だよ『ゆーえふおー』
アンタたち、それで来たんじゃないのかい?」
「AKM48」
確かに間違ってはいない。
「日本サンショウウオセンター」
ここは日本でも珍しいUMAセンターなのだ。
※UMA=未確認生物
ビジネスの匂いがプンプンするぜ
しかもこのキャラには見覚えがある。
怪しい施設だぜ・・・
だがこの門をくぐらなければ
滝巡りは叶わないのだ。
そこでオレは
見てはいけないモノを見てしまった。
「コレ」は「アレ」ではないか!?
いや、「アレ」が「コレ」なのか!?
判断はアナタにお任せしたい。
捕獲された異形の生物たち。
これが『UFO』に乗っていたとでもいうのか?
ちゃんちゃらおかしいぜ。
SUZUさん
「何かおかしなコトになってきましたね」
悪いがオレはそういうのは信じないぜ。
オレが信じられるのはカネさ、そうカネだけさ。
観光客がやたら多い。
ホントにみんなUFOなんか信じているのか?
おいおい、ウソだろ!?
みんなおかしくなったんじゃないのか!?
「確かに毎年何人かがここで
消息不明になっているそうですよ」
ははは、SUZUさんまでそんなコトいうなよ!
ほらっ小魚が泳いでるぜ!
ワケのわからんこといわないで楽しもうぜ。
SUZUさん
「・・・だれ?誰ですか・・・?」
「ちょっと見て~、
あのヒトなんでわざわざあんなとこ歩いてるのかしら~」
SUZUさん
「呼んでいる・・・呼んでいる・・・」
SUZUさん写真はとらないの?
SUZUさん
「・・・ヒヤムギ・・・」
えっ?冷麦?
あーはははっ!確かにそうめんみたいだな!
オレも食べたくなったよ。
しばらくしてオレは気づいてしまった。
こ、コレはあからさまに怪しい!
おかしいでしょ!
どうして土のない岩の上に木が生えちゃうのだ?
よく見ると所々に金属のようなモノが見え隠れしている・・・
アンテナ?
なにかの送信機?
いや、バカな!?そんなコトあるか!
突然静寂が訪れる。
川の流れも止まった。
・・・・とてつもないイヤな予感がする。
SUZUさん!どこだSUZUさん!!
あーっ!!怪電波!
ウソだぁ!ウソだぁ!
SUZUさん!ダメだ!行っちゃダメだ!
うおーっ!おおおおお!おーっ!
オレの中に宿る「なんじゃもんじゃパワー」が
炸裂する!
「なんじゃぁ~(直立して両手を横に伸ばす)
もんじゃぁ~(その腕をぐるぐる回す)
ああああ・・・・フラァーッシュ!!!
(両手を斜めに上げてカラダ全体でYの字)」
ぴかーっ!!!
まばゆいばかりの光がすべてを消し去った!
SUZUさん
「大丈夫ですか!立ちくらみですか?急にどうしたの?」
気がつけばオレは岩場の上に大の字になっていた。
い、いやダイジョウブだ。
(アレはなんだったのか?・・・)
アタマがくらくらする。
SUZUさん、もしかして憶えてないのか?
SUZUさん
「このところの雨不足でいつもより水量が少ないそうですよ」
オレは幻覚を見たのか?
SUZUさん
「ここが終点ですね!とうちゃく!」
川のせせらぎをおかずにおにぎりパクパク
ああ、うまい!
やっぱ自然の中で食べるってのはサイコーだな~
おなかポンポン
心もカラダも満たされたぜ。
さぁ、のんびり帰ろうか。
今日あった出来事はなんだったのか
本当に現実に起こった事なのか
もうオレは深く考える事をやめた。
おーい、みんな!
帰りにコンビニで「安納芋もなか」アイスでも買おうぜ!
アレってめちゃくちゃうまくないか!?
キキキ・・・シッパイ・・・ホカクシッパイ・・・