秋葉山をゆく [静岡のやま]
マスターY
「いいですかぁ、今がここでぇ、ここからテクテクですよ。
初もうで登山ですからね、厳かなキモチで行きますからね」
冬の空は澄み渡る。
新東名浜松浜北インターから小一時間、
その有難いおやまの名は秋葉山(あきはさん)
標高899めーとる
五キロくらいだってさ
おえーっ
登山口に入る前の傾斜がキツイな。
はぁはぁ
SUZUさんはさっそく「万能杖」を手に入れた。
「ああっ!その木はワタシのです!
ワタシが見つけました!
どいてどいて!
うひ、うひひひひ」
なんとなく富士山が見える。
SUZUさん
「これは凄い!見てください、信玄岩ですよ。
ここから信玄公が矢を射ったんですよ!」
ふん、
”なんとでもいえる岩”だな!
”おまえ見たのか岩”ともいえるわ!
ケッケッケッ
だいたいコレ気にならないのか?
電柱だよ、でんちゅう!
また頂上につくと駐車場とかあるパターンだろ?
「ビジネス」の匂いがプンプンするぜ。
たったったったったっ
「シツレイしまぁーす」
たったったったったっ
上から下から
じゃんじゃん神の化身が走ってるのよ。
よくやれるなぁ
SUZU
「もっと楽だとおもってましたよ・・・」
SUZUさんもジェットボイル持ってきたんだろ?
頂上でラーメン食べれば元気でるさ。
ほらもうすぐ
がーん
これは普通の神社じゃねーか
ヒトいっぱいだ。
なんじゃコレ
「天狗の皿投げ」?
へぇー
「よしえさん・・・
ボクの投げた皿がもしあのマトに入ったならば
・・・ボクと結婚してください!」
ぴゅーっ
「あんなトコ入るか!
アホらし!やめじゃやめじゃ結婚やめじゃ!」
SUZUさん
「若いっていいですな」
マスターY
「火使って食べるトコがないです。
ここでは食べられないな」
うう寒いわ・・・
はよなんか食べましょ。
SUZUさん
「ワタシは大自然の中でカップラーメンが食べたいのです」
ああそうですか
のぼりの途中にあったベンチでやっと食事。
マスターY
「しまったぁ!オレとしたことがぁ!
ハシを!箸を忘れてしまったぁ!」
「(・・・・・・・・)」
※オレたち無視
すると目の前を歩いていた男性がおもむろに
「ハシがないの?よかったらワタシの予備があるから
あげますよ」
マスター
「えーっ!いいんですか?すみません助かります!」
こうゆーのっていいよな~
山のぼりのいいとこだよね、助け合いだな~
男性
「(ごそごそ)えーっとちょっと待ってね~」
マスター
「ホントにすみません」
男性
「(ごそごそ)どこにいれたかな?えーっと、」
~5分後~
男性
「おかしいな、もう一度最初から調べよう」
~さらに5分後~
男性
「・・・・(一個一個小袋を出しはじめる)」
(オレ※小声で)
マスター、今どういう状況なんだ?
ものすごく居心地が悪いぞ!
マスター
「(そんなこといったって、もういいですっていえないですよ!)」
男性
「昔はね、(ごそごそ)ハシ忘れたら小枝をね(ごそごそ)
キレイに削ってハシにしたんだよな。」
マスター
「(えっ?ここへきていまさら小枝を使えってコト?)」
オレ(もう断れ!いいですって言えよ!言えよマスター!)
男性
「小枝を使えばね、ハシの代わりになるんだよ」
オレたち
「・・・・(なんと答えればいいかわからず立ちつくす)」
その傍ら
SUZUさん
「はふはふ!これはうまい!はふはふ!
ジャンボカップヌードルにしてよかったです!
はふはふ!はふはふ!」
御仏
「SUZUよ~おまえはロクな死に方せーへんで~」