ふじさんっていいな。 [静岡のやま]
7月のとある週末。
我々おやまクラブメンバーを乗せたクルマは
東名高速道路を東へと走っていた。
ある者は愛する家族のため、
ある者は自分自身の名誉をかけて、
それぞれの想いを胸に
目指すは富士山・・・
皆はもう、うすうす感じているのだ。
コレが最後かもしれない。
最後の富士山・・・
そしてオレは
今回こそ・・・
今回こそ「山ガール」としゃべってみせる!
得意のパーティジョークで場を和ませてみせる!
夏真っ盛りだというのに富士は惜しげもなく
その雄姿を見せてくれる。
御殿場ICから138号を経て
600台駐車可能な有料駐車場へ(代金1,000円)
夏のシーズン
土日は5合目までシャトルバスを利用するようだ。
往復1500円のチケットを買う。
30分かけて登山口へ。
ものすごいゆっくりのスピード。
高ぶる気持ち。
スタート地点
須走(すばしり)登山口。
お店の人たちが気さくに声をかけてくれる。
「いってらっしゃーい」
「がんばってねえー」
悪いがオレには構わないでほしい。
集中が途切れるのだ。
(山ガール 山ガール ブツブツ・・・・)
今回TAKE氏がセッティングしたのは
須走コース。
人気の吉田ルートと違い
登山客も比較的少なく
ゆったりと登れるコースのようだ。
フムフムなるほど
砂走り初体験だな。
木漏れ日の中を出発。
11:00ちょうど
オレは生まれ変わる
この須走コースで!
しかしこんなに景色がよいのは初めての体験だ。
なにもかもがクリア
カラダが慣れてくるまで
ダラダラと休憩を取りながら。
道のりは長い。
足もなるだけ小幅であまり上げないように
うつむきながらココロでリズム(イチ・ニ・イチ・ニ)
そうすればどんな距離も時間が解決してくれる。
それはメンバーのひとり、同い年のSUZUさんが
教えてくれた「山登りの極意」
オレと同じメレルのミッドゴアテックスを愛用する達人は
去年、たった2回の登山のみで
「このままでは死んじゃう」と謎の言葉を残して
全く参加しなくなったことを付け加えておく。
愛機バークハウス FREEFLOW PRO 40
暗黒戦士御用達の40Lザック。
背面にワイヤーが入っていて背中と密着しないので
スースー感がキモチよい。
なにやつ!
あすこに見えるは「砂走り」か。
天気がよいとついつい休憩が長くなるものだ。
大きくなったなKAI君
すまない
オレは君でさえ踏み台にしようとしている。
煩悩のために死んでくれ。
ぜえぜええ
つ、つらい
オレが死にそう・・・
下江戸屋到着17:00
ふう ひと安心
むむ この声は・・・・
なに!最年長のmikaさんが山ガールとしゃべっている!
キャッキャッ言って笑いとってる!
負けられん!
このジェイロー
一世一代の大博打でい!
オレ「あれあれえ? ナニナニ このかんけーい?」
山ガール1「いま写真とってもらったんでーす」
山ガール2「うきゃうきゃきゃ」
オレ「あー そうなの そうなの」
ふう・・やった
ついにやった。
オレはやったぞー!
山ガールとしゃべったぞー!
尋常じゃない脇から流れる汗。
ああ なにか突然ものすごい疲れがきた。
しばしの休息が必要だ。
どっこいしょっと・・・
その前におにぎり食べよ。
もう食べ物の蓄えがないKOMI氏が横で嘆いている。
もっと買えばよかったと。
ネチネチと300円払うなら売ってやると
言いつつも
ない!ない!おにぎりがなーーい!
あんた盗っただろ!
オレが最後まで残しておいた「和風シーチキン」だぞ!
そして
盗った盗ってないと押し問答が続く・・・
オレの気迫に押されたのか
なぜかKOMI氏ではなく
見ず知らずのお兄さんが
「あの、よかったらコレ食べてください」と
塩せんべい丸ごと一袋。
シュワシュワー
ああ ココロが浄化される・・・
山ではみんなが仲間なのか!
コレが富士山なのかあ。
(ボリボリムシャムシャ)
KOMIさん
オレが間違っていた。
おにぎりはなぜか別のポケットに入ってた。
あんたが入れたんだろ?
もうわかった なにも言わなくていい。
山の上の最上級の食事。
そしてKAI親子プレゼンツ
バーナータイム。
え? カレーのあとにカレーヌードル・・・
わざとか?
わざとなのか!?
ここでも見ず知らずのオジサンが自分のバーナも
使ってくださいって貸してくれた・・・
なんだろ この思いやりのココロ
オレには照れくさいぜ・・・
さあ もう思い残すことはない。
25:00に出発
ここから大渋滞が始まる。
2時間近くかかってしまった。
ああ ここは繁華街
欲望の街 富士山10合目。
4:40
厳かな瞬間
ブルブル震えながら。
どなたかの掛け声でバンザイ三唱
それもまたよし。
じーーん。
ああ 今回のご来光はホントにキレイだ・・・
子供たちにせがまれて近所のゲームセンターに
行く日にしなくてよかった。
どこまで高く登るか
どこまで遠くへ行くか
子供たちよ
それがジンセイの深みなのダ。
おやまの上から下界におりていく
キチョウなひととき。
砂走り
なるほど コイツは楽しい。
うわーって叫びながら
ホイホイ駆け下りた。
10時ごろ下山して
そのまま近くの御殿場市温泉会館
500円のバリューなお湯をいただく。
2Lのミネラルは少し残った。
yama氏のすすめでカルピスのパックを
凍らせてもっていったが
なるほどおいしかったよ。
そして
ハードボイルドなオレの旅は終わった。
(2011年7月)
2013-05-04 08:27
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